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今日もエンジン快調!

ロビンソン R66型  ヘリコプター紹介

タービンエンジンのヘリというものはレシプロ機に比べて利点が多い。パワーがある、振動が少ない、エンジンを小型化できる、空港ならどこでも燃料が手に入るetc. . .

 

仕事で使う上で特に嬉しいのは、燃料が手に入りやすいところだ。ヘリに使われているタービンエンジン(ターボシャフトエンジン)は仕組みとしては飛行機のジェットエンジンとほぼ同じなため、旅客機と同じ燃料が使える。つまり空港であればほぼ確実に燃料が手に入るという事で、仕事であっちゃこっちゃ飛び回る時にはありがたい話だ。

たしかにタービン機はレシプロ機と比べて運航コストも値段も高いのだが、やはり性能や利便性には代えられないという事もあってか、現在の官公庁や民間企業で使用されているヘリのほとんどがタービンエンジンを搭載している。

 

そんな背景からか、近年開発された米国ロビンソン社の単発タービンヘリ、R66型を今回は紹介したい。

このブログで紹介したロビンソンR22型の兄貴分にあたるもので、機体価格と維持費共にタービン機としては異例の安さで、訓練機や使用事業機として徐々に数を伸ばしつつある期待の機体である。

 

機体構造は同社のレシプロヘリ、R44型のまんまタービン版といった感じであり、テイルローターコントロールは直結でメインローターのみ油圧補助があるという非常に簡素なつくりをしている。12m以内に収まる全長とシーソーローターという事もあり、コンパクトで駐機場所を取らないのもロビンソンらしい。ただ、わずかに胴体が広いことと余剰馬力が増したことにより、定員は5人で独立した貨物スペースをも有する。

 

搭載されるロールスロイス製RR300エンジンは遠心コンプレッサー1段のみというシンプルな構造ながら離陸出力270軸馬力を発揮し、軽量な機体ということもあってパワー面では十分といったところ。

離陸すれば明らかにレシプロ機とは一線を画すパワー感と静寂性を誇るし、特に振動の少なさは歴然。初めて乗ったときは、タービンヘリというのはこうも静かなものなのかと感心したほどだ。(外から聞いてるともちろんウルサイんだけど

 

操縦面では、ペダルの重さがちょっと引っかかるものの、シーソーローターらしい鷹揚な特性もあってAS350とかと比べると格段に乗りやすい印象だ。私は10時間くらいしかこの機体に乗っていないのであまり詳しいことは書けないが、それほど操縦面で苦労した印象は無い。直径10mに達する金属製のメインローターは慣性が大きく、オートローテーションを含めた各訓練科目がやりやすいのも良いところだ。

 

いかんせんキャビンの横幅が狭く、居住性までいかにもロビンソンらしいところはご愛嬌だが、訓練機とかで使うには十分すぎるし、そんなに長距離を飛ばない使用事業なら普通にこなせそうである。

まだそこまでの数が出ていない機体ではあるものの、これからどんどん増えてきてくれることを期待したいヘリだ。