ケース・クローズ!

今日もエンジン快調!

エアバス H125型エキュレイユ ヘリコプター紹介

小型機離れした超高性能を誇る究極、最新鋭のエキュレイユシリーズ。

 

今回紹介するH125型でぱっと思いつくキャッチフレーズはこれしかない。

このヘリは、このブログで以前紹介したAS350型の最新機種にあたるものである。

 

 

AS350シリーズの中でも極限までハイパワーなエンジンを搭載し、加えてフルオートのエンジンコントロールまで装備したAS350シリーズの最終進化形態とも言うべき機体。ちょっと前まではAS350B3eという名前で呼ばれていた。

見た目はエキュレイユ初期モデルから変わらないコンパクトな機体だが、その内に擁するは離陸出力860軸馬力を発揮するアリエル2Dエンジン。まるでコンパクトカーに3000ccクラスのエンジンを積んでしまったようなシロモノであり、結果的に世界中の単発ヘリコプターの中でも際立った高性能ヘリコプターとなった。そもそも初期のB型が640軸馬力でありながらそれなりに余裕があったのに、そこから200馬力以上もパワーアップしているのだからこいつは凄まじい。

増大したパワーに対応するためか、テイルの付け根部分などは以前のものと比べて補強が入っている。

 

特筆すべきはそのパワーにモノを言わせた高高度性能だろう。他の機体だと性能的にヘロヘロになってしまうような高山においてもしっかりホバリングできる性能を持ち、2005年にはエベレスト山頂に着陸という世界記録を樹立した

このパワーは低高度でももちろん有用で、標高の低い場所なら1トン近くの吊り下げ荷物を運ぶことが出来る。もちろん、乗客満席で燃料満タンなんてのは朝飯前もいいところだ。

 

現在の単発ヘリコプターでこの機体と性能でタメを張れるのはレオナルド社が生産するAW119コアラくらいだろう。(K-maxというバケモノは割愛)

エンジンが単発であるゆえに官公庁では使われていないが、山小屋への物資輸送とか木材搬出などで今日も活躍している。

 



ところで、タービンエンジンを搭載するヘリコプターは多くの場合、エンジン内の圧縮空気を拝借して暖房として利用している。つまり、暖房使用中にはエンジン限界性能が下がることになり、離着陸みたいなパワーを使う場面では暖房をオフにするのがマニュアルで義務付けられていることが大半。ところが、この機体に関してはオフにすることが義務付けられていない。いかにパワーが有り余っているかという証左であろう。

 

そんなこんなで、軽い状態でフルパワー上昇すれば簡単に昇降計の針は振り切れる。この機体のテストフライトではフルパワーで2分間上昇を続けるという科目があるのだが、これがもう本当におっかない笑。パワーを入れた直後からとんでもないスピードで上昇しはじめ、あっという間に天上界までノンストップの急行便である。正直、空荷のコイツが性能的に上昇できなくなるのってどんな高高度なのかまったく想像がつかないほどだ。

 

むしろ、パワーを下げてもなかなか降下してくれないので、操縦面ではむしろこっちのほうが問題だと思っている笑。実際、ヘリポート等に着陸する際には思うように高度が下がってくれず、ちょっと難儀することも。

そうは言ってもやはり圧倒的なパワーの余裕は気持ちの余裕にもつながるのは間違いなく、単発機の中でどれかを使って仕事をしろと言われたら、私なら何の迷いもなくこのヘリにすると思う。それくらい優等生なのだ。なにせ、

低速でもパワーに余裕持ってラクに飛べるし

パワーにモノ言わせたバケモノ級の上昇力もあるし

コンパクトなサイズでヒラヒラと小回りも利かせられるし

速度性能も航続時間も水準以上だし

と、何をするにしても本当良くできたヘリである。

 


最後に思いっきり余談だが、この機体の個人的に好きなポイントはエキゾーストパイプ。写真のように燃焼室のすぐ後ろから先端まできれいな虹色の焼け色が入るため、整備中とかになんとなく見るのが好きだったりする。クルマとかバイクのチタンマフラーが好きな方は共感してくれるやもしれん笑。